さて。こうして皆に集まってもらったのはほかでもない。
お前たちも可愛がっているのことじゃが。
―メタル― はい。博士。
もうすぐ2年になるな。
―エアー― そうですね。
―ヒート― ちょっとぉ、ボクにとっては1年と2ヶ月なんだけど！
―クイック― なあー早く言えよ、オレ早く寝たいんだよ、だって早く寝ないと明日オレが一番に起きられねーじゃん！
―フラッシュ― じゃあ、まずお前が黙れ！
―クイック― ンだと！おまえオレより年下（後発）のくせになに
―ウッド― わーわー、ほら、とにかく聞こうよ、ね？
クイック…。末弟に諭されて、恥とは思わんのか？…まあいい。要点だけ話すぞ。
明日から、順番にと一緒に寝てもらう。
―フラッシュ― ……はぁ？
―バブル― 寝る、って？
みなまで言わせるな。生殖実験じゃ。
―ヒート― え……
最初の一周はやってはならん。慣れも必要じゃからな。
――……
メタルから順にまわす。
クラッシュの前と、ウッドからメタルに戻る時はそれぞれ一日空ける。
一巡するごとにワシはから問診することとする。以上じゃ。何か質問はあるか？
――……
ないか。ではこれにて解さ
―クラッシュ― まてまてちょっとまって博士、ねえちょっと待ってよ？
なんじゃクラッシュ。質問か？
―クラッシュ― にセイショクで順にマワす、だああ？！…なっっんじゃそらぁーーー！
―ヒート― ちょ、クラッシュ？！
―クラッシュ― なにそれ！おかしいでしょ博士！とうとう狂った？！それともボケちゃった？！
至って正常じゃ。質問はそれだけか？
―クラッシュ― ちがくて！だから、…むうう！ぐうう！……
―バブル― ウッド、こいつ抑えてて。 …うん。 じゃ、聞きますけど、博士。僕らは機械で、は人間だ。どう考えても正常なマグワイじゃない。不可能でしょ？
いい着眼点じゃな、バブル。だがそれはワシの技術でクリアーじゃ。要はお前たちに生殖器があり生殖機能があるかが問題じゃが、すでにある。人間と同じように自己生成し、溜まれば吐き出す。だって、出しとるじゃろ？
―バブル― それは、確かに……。
―メタル― 博士。私が以前に不要と申し上げた機能が、そういう意図だったとは思ってもみませんでした。
おお、メタルでもわからなかったか。ワシもまだまだイケるの。ワハハ。
標準装備のおかげで扱いには困らんじゃろ？行為の知識も基本はデータチップに入っておるし、あとはお前たちのシュミと努力次第じゃな。
―エアー― しかし博士。これは…。倫理的に問題では……
倫理観などとうに捨てておるよ、エアー。でなくば、ワシはお前たちを創れん。世界征服なぞ以ての外じゃ。…そうじゃろ？
―エアー― ……。
まあ、好きにしなさい。が居てもデフラグ（睡眠）はできる。何もしなくてもいいんじゃ。だが、再起不能にはするなよ？間違ってもは人間なんじゃからな。それだけは忘れるな。
―クイック― なあ、あいつは…。は、このこと知ってんのか？！
知るはずがないじゃろう？それどころか「赤どこ」じゃな。まさに真っ白な奴じゃ。
―ヒート― うわあ…それはそれは。そうだとは思ってたけど。
逆に、そうでないと無理じゃ。この行為についても全ては教えん。「好き合うものが行う」程度にしか、な。その問題とは別モノだと思っておるじゃろうな。
―クイック― マジかよ……。
ワシ、今まで頑張って情報規制してたんじゃよ？お前たちも協力しておくれよ？
―ウッド― 博士……。
おいおい、そんな顔するなウッド。クラッシュまで…。ワシ、悪者みたいじゃないか。いや、悪者だったな。じゃあいいか、なんちゃってな。はは。
――……
なんじゃ、この空気…。
―フラッシュ― …なあ。なぜ、そんなことをさせるんだ？…に……。
単なる興味じゃよ、フラッシュ。
…わしは「ドクター（研究者）」じゃ。こればかりはどうしようもない。性（さが）なんじゃ。
―フラッシュ― ……。
さ、これで話はおしまいじゃ！今度こそ解散ー。もう今日はとっととデフラグしなさい。処理速度落ちたら仕事が進まんぞー！はい、はい！ほら！ほーら！
……
―メタル― 博士。
ん？まだおったのか、メタル。
―メタル― 私が「最初」なんですね？
ああ。お前以外の適任はおらんよ。よくわかっておるからな。
わしの意思も、のことも。
―メタル― はい。
今後どうなるかは、お前にかかっているぞ？うまくやりなさい。
―メタル― はい。では。
……
ワシは、どこまでも堕ちた人間じゃな……
なあ、○○○よ、お前とわしはどちらが残酷なんじゃろう――？
